私が練習を計画する時間的な指標として最も重要視している『上達プロセスの1/3の法則』というものがあります。これは「自分がコントロールできない練習を1/3」「自分コントロールできる時間とできない時間が混在している競り合う練習を1/3」「自分がコントロールできる練習を1/3」という考え方です。

課題に取り組む練習は「自分がコントロールできない練習」に分類されますから、その練習に費やして得たものを「自信」という確固たるカタチにしていくには競り合う練習を同じだけ行い、さらにはコントロールできる練習も同じだけ取り組む必要があります。競り合う練習は仲間がいないとできませんが、コントロールできる練習はロボコンが得意とするところ。自分の課題を手に入れることができたかな？？というときに先を急がずに土台固めをします。そうすれば圧倒的なくらい反復練習することではじめて「自分のできることを知る」ことができて、それが「自信」としてプレーヤーを支えてくれるようになるわけです。

日常のグループ練習は課題へのチャレンジの連続ですが、大会でゲームをプレーをするときには結果を気にせずにチャレンジを続けることはできないのが現実です。もし無理にそれをやろうとするとゲームそのものが成立しないだけではなく、今後のプレーにもダメージを残してしまいます。つまり試合では「できること(知っていること)」でプレーしないといけないのですが、さてその練習を普段からどれだけやっていることでしょう。答えは否。ほとんどのプレーヤーが練習テーマとして脳にメモリされている「できないこと・やりたいこと」を、試合中に「できること」に上書きすることは不可能だと言えます。圧倒的な量の“確かめ練習”をしていませんから、不安に縛られた状態でいつもの力を発揮できずに負けてしまうのです。周囲が評価しているいつもの力(これをプレーヤーが聞き入れることはすごく大切です)をプレーヤー本人が理解し、納得することが自信への近道です。ロボコンはそんなひたむきなプレーヤーの一助に、と願いオープンに至りました。